XMLの名前空間は、XML文書内で要素や属性の名前の衝突を防ぐための仕組みです。これにより、異なるXML文書や異なるスキーマからの要素を同じ文書内で共存させることが可能になります。以下に、XMLの名前空間の基本的な機能とその重要性について説明します。
名前空間の基本概念
- ユニークな識別: 名前空間は、URI(Uniform Resource Identifier)を使用して識別されます。これにより、同じ名前の要素や属性が異なる意味を持つ場合でも、明確に区別することができます。
- プレフィックスの使用: 名前空間は、プレフィックスを使用して要素や属性名に付加されます。例えば、
<x:element>
という形式で、x
が名前空間のプレフィックスであり、element
がローカル名です。このようにすることで、同じローカル名を持つ要素が異なる名前空間に属することができます。
名前空間の機能
- 名前の衝突を防ぐ: 異なるXML文書やスキーマからの要素が同じ名前を持つ場合、名前空間を使用することで衝突を避けることができます。例えば、
<book>
という要素が異なるスキーマで使用される場合、名前空間を使って<pub:book>
や<lib:book>
のように区別できます。 - スコープの管理: 名前空間は、宣言された要素のスコープ内で有効です。つまり、名前空間の宣言が行われた要素とその子要素に適用されます。これにより、特定の要素に対して異なる名前空間を適用することが可能です。
- デフォルト名前空間: 名前空間は、デフォルト名前空間として宣言することもできます。これにより、特定の要素にプレフィックスを付けずに名前空間を適用することができます。ただし、属性にはデフォルト名前空間は適用されません。
実際の使用例
XML文書内で名前空間を使用する際の例を示します:
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<library xmlns:pub="<http://publications.org/schema>" xmlns:lib="<http://library.org/schema>"> <pub:book> <pub:title>XML Basics</pub:title> <lib:author>John Doe</lib:author> </pub:book> </library> |
この例では、pub
とlib
という2つの異なる名前空間が使用されており、それぞれ異なるスキーマに基づく要素が含まれています。これにより、同じ名前の要素が異なる意味を持つ場合でも、明確に区別することができます。
まとめ
XMLの名前空間は、要素や属性の名前の衝突を防ぎ、異なるスキーマや文書を統合する際に非常に重要な役割を果たします。名前空間を適切に使用することで、XML文書の柔軟性と再利用性が向上し、複雑なデータ構造を効果的に管理することが可能になります。
参考サイト
Rational Software Architect RealTime Edition 9.5.0
An XML namespace is a collection of names, identified by a URI reference, which are used in XML documents as element typ...
Understanding XML Namespaces
XML ドキュメントでの名前空間の管理 - .NET
XML ドキュメントで名前空間を管理する方法について説明します。 XML 名前空間は、XML ドキュメントの要素名と属性名をカスタムの定義済み URI に関連付けます。
The XML FIles: Understanding XML Namespaces
XML Namespaces – please help me understand
byu/JustNeedANameee inxml
XML Namespaces for Dummies – Part 2
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