Auto Scaling Groupには、直接的な「一時停止」ボタンはありませんが、グループのインスタンス数をゼロに設定することで、実質的に活動を一時停止させることができます。設定自体は削除されずにそのまま残ります。
これは、開発環境やステージング環境で、使わない夜間や週末にコストを節約したい場合などに非常によく使われるテクニックです。
■ 方法1:インスタンス数をゼロにして一時停止する(推奨)
これが最も簡単で確実な方法です。
一時停止する手順
- AWSコンソールでEC2のダッシュボードを開き、左側メニューの一番下にある「Auto Scaling グループ」を選択します。
- 一時停止したいAuto Scaling Groupを選択します。
- 画面右上の「編集」ボタンをクリックします。
- 「グループサイズ」のセクションを探します。
希望する容量 (Desired capacity)
と最小容量 (Min capacity)
の両方を**0**
に変更します。- 画面一番下の「更新」ボタンをクリックします。
【この操作で起こること】
この操作を行うと、Auto Scaling Groupは「希望するインスタンス数は0台」と認識し、現在実行中のインスタンスがあれば、それを自動的に終了(Terminate)させます。
その後、インスタンス数が0の状態を維持するため、ヘルスチェックによる入れ替えや新しいインスタンスの起動は一切行われなくなります。
再開する手順
- 同様に、Auto Scaling Groupの「編集」画面を開きます。
希望する容量 (Desired capacity)
と最小容量 (Min capacity)
を、元の値(例:1
) に戻します。- 「更新」ボタンをクリックします。
【この操作で起こること】
これを実行すると、ASGは「インスタンスが1台必要だ」と認識し、設定されている起動テンプレートに基づいて、新しいインスタンスを自動で立ち上げてくれます。
■ 方法2:プロセスを中断する(高度な方法)
もう一つの方法として、「プロセスの中断」という機能があります。
これは、「ヘルスチェックによる入れ替えだけを止める」「負荷に応じた自動増減だけを止める」など、Auto Scalingの特定の動作だけを個別に一時停止する、より高度な方法です。
しかし、今回のように「グループ全体の活動をシンプルに止めたい」という場合は、方法1のインスタンス数をゼロにするのが最も簡単で確実です。
まとめ
Auto Scaling Groupを一時停止したい場合は、「希望容量と最小容量を 0 に変更する」と覚えておいてください。
これにより、Auto Scaling Groupの設定情報を保持したまま、EC2インスタンスの稼働コストを完全にゼロにすることが可能になります。