今年は新しい言語pythonと新しいドメインに挑戦することになりました。
今回はドキュメント生成ツールを例に挙げて、アサインされてから迷子にならず、できるだけ最短で戦力になるためのロードマップをまとめてみたいと思います。
ドキュメント生成ツールのような「データを受け取り、加工して、出力する」システムは、処理の流れ(パイプライン)を理解することが大切です。
フェーズ1:コードを読む前に「全体像」を掴む(1〜2日目)
いきなりdef main(): を探しにいくと、森の中で迷子になります。まずは地図を手に入れます。
1. 入出力(I/O)の把握
ドキュメント生成ツールの本質は「何を入力として、どんな成果物を出すのか」です。
Input:JOSNデータ?データベスのクエリ結果?Excelファイル?
Template:帳票レイアウトはどのように定義されているか?(Excelテンプレート、HTML/CSS、独自形式?)
Output:PDF? Excel? Word? HTML?
2. READMEとドキュメントの「写経」
・READMEに書かれている「セットアップ手順」を上から順に実行します。
・ポイント:ここで躓いたり、記述が古い箇所があればメモします。「ドキュメントの修正」は、プロジェクトに貢献できる最初の(そして歓迎される)タスクになります。
フェーズ2:Pythonプロジェクトの歩き方(3日目)
Javaなどの静的型付け言語になれている方は、その違いに戸惑うことがあるかもしれません。まずは以下のファイルを探します。これらがプロジェクトの「骨格」です。
| ファイル/フォルダ | 役割・見るべきポイント |
|---|---|
| requirements.txt pyproject.toml |
依存ライブラリ一覧。ここを見れば、そのツールが何でできているか分かる。 (例:Jinja2 があればテンプレートエンジンを使用、Pandasがあればデータ加工重視) |
| test/ | 生きたドキュメント。テストコードは「この関数はこう使うのが正解」という実例集。仕様書より正確。 |
| main.py app.py __main__.py |
エントリーポイント。プログラムの開始地点。 |
フェーズ3:ソースコードの読み方・攻め方(4,5日目)
漠然と読むのではなく、「データの旅」を追跡します。
1. 「デバッガ」で一行ずつ追う
読むより動かす方が早いです。IDE(VS CodeやPycharm)のデバッガを使い、ブレークポイントを貼って変数の中身を見ます。
・Action:正常系のテストケースを一つ選び、デバッグ実行でステップ実行してください。
・Check:「入力データ」が、どの関数を通るたびに「どう形を変えていくか」を見てください。
2. ドキュメント生成ツールの「3層構造」を意識する
多くのドキュメント生成ツールは、以下の3つのフェーズに分かれています。コードもこの構造になっている可能性が高いです。
1. Data Fetching/Parsing (データ取得・解析)
・DBやAPIから値を取ってくる部分。
・Pythonのキーワード:dict, json, pandas
2. Context Mapping (マッピング)
・取得したデータを、ドキュメントのどの位置に埋め込むか決める部分。
・ここがロジックの核心であることが多いです。
3. Rendering (描画・出力)
・実際にPDFやExcelを書き出す部分。
・Pythonのキーワード:reportlab, openpyxl. jinja2
3. Python特有の「罠」に気をつける
Python特有の書き方に注意します。
・Type Hints (型ヒント):最近のPythonは
|
1 |
def func(name: str) -> bool: |
のように型を書きますが、強制力はありません。あくまで「ヒント」だと割り切って読んでください。
(※VSCodeの拡張機能で補うことができます)
・Decorator (@func_name): 関数の上に@がついていたら、「処理の前後に何かが挟まっている」と思って下さい。(ログ出力、認証、トランザクション管理など)

