バーチャルホストとは、1台のサーバーで複数のドメイン名を運用する技術のことを指す。
この技術を使用することで、物理的なサーバーの数を減らし、コストを削減しながら、異なるウェブサイトやサービスを提供することが可能になる。
バーチャルホストの種類
バーチャルホストには主に以下の2種類がある。
IPベースバーチャルホスト
【定義】
各ウェブサイトに異なるIPアドレスを共有する方法。
サーバーには複数のIPアドレスが設定され、それぞれのIPアドレスに対して異なるドメイン名が関連づけられる。
【利点】
SSL証明書を個別に設定できるため、HTTPSを使用する際に便利。
名前ベースバーチャルホスト
【定義】
複数のドメイン名が同じIPアドレスを共有する方法。
クライアントからのリクエストに含まれるHostヘッダーを基に、どのドメイン名に対するリクエストかを判断する。
【利点】
IPアドレスの節約ができ、ドメインの追加が容易。
特に小規模ばウェブサイトやレンタルサーバーで広く利用されている。
バーチャルホストの設定例
Apache HTTPサーバーにおけるバーチャルホストの設定は、通常httpd.confやsites-availableディレクトリ内の設定ファイルで行う。
例:名前ベースバーチャルホスト
以下の設定では、www.example.comとwww.anotherexample.comという2つのドメインが、それぞれ異なるドキュメントルートを持つバーチャルホストとして設定される。
<VirtualHost *:80>
ServerName www.example.com
DocumentRoot /var/www/example
</VirtualHost>
<VirtualHost *:80>
ServerName www.anotherexample.com
DocumentRoot /var/www/anotherexample
</VirtualHost>
バーチャルホストの利点
コスト削減
複数のドメインを1台のサーバーで運用できるため、サーバーの数を減らし、運用コストを削減できる。
管理の簡素化
サーバーの設定を一元管理できるため、運用が容易になる。
柔軟性
新しいドメインを追加する際に、サーバーの物理的な変更が不要で、設定ファイルの変更のみで対応できる。
以上のように、バーチャルホストはwebサーバーの効率的な運用を可能にする重要な技術。